半身浴の入浴方法

半身浴の方法

半身浴は簡単に行うことができますが、正しい方法によって、汗のかき方や、体の温まり方が格段によくなります。

まずポイントとなるのが、体のどの部分までをお湯につけるかです。 体のみぞおちから下をお湯につけ、腕は浴槽から出すのが基本スタイルです。

腕を出しているので、肩が寒いと感じたら、タオルをかけてください。 このとき、タオルは必ず乾いたものを使います。 濡れたタオルを使うと、徐々にタオルが冷たくなるので、 体の体温がタオルに吸収されて、余計に体が冷えてしまうからです。

半身浴を行うときのお湯の温度は、38℃~40℃くらいに設定しておきましょう。 いつも入浴しているときより、少しぬるいなと感じる温度です。 40℃以上の高温にすると、心臓に負担がかかってしまうので注意が必要です。 半身浴は、体をゆっくり温めて、じわじわと汗をかく方法なので、発汗には20分ほどかかります。

もうひとつのポイントは、半身浴を行うタイミングです。 食事した直後は、絶対に避けてください。 食べ物を消化するため、内臓が盛んに動いています。 この時に入浴してしまうと、水圧により体に非常に負担がかかってしまいます。 同じように、満腹時に半身浴をすることも避けてください。

半身浴を行うときは、お風呂用のいすを使って姿勢や湯量を調節すると入浴しやすくなるでしょう。 姿勢が負担にならないようにすることが大切です。

タイプ別の方法

半身浴を行う場合は、自分の体質や体調にあったやり方のほうがより良い効果を得ることができます。

温まろうと湯船に浸かっても、すぐにのぼせてしまったり、なかなか体を温めることができなかったりなどと様々な体質の人がいると思います。一般的な半身浴を試してみても、効果が得られない場合は入浴方法を少し変えてみて下さい。

お湯に入ると、すぐに体が熱くなってしまう人は、お湯の温度を38℃より少し低くします。 半身浴をしている間は、両手は浴槽の縁に置き、お湯に浸けないようにして下さい。 体が熱くなりすぎたら、浴槽の中で立って体を伸ばしてみるといいでしょう。

逆に体が全く温まらないという人は、お湯の温度を通常より少し高めに設定して下さい。 また、浴室内の温度もあげると効果的でしょう。 暖房器具が浴室にあればそちらで調節して、なければ熱めのシャワーを壁にかけて湯気で温めます。 さらに入浴剤を入れると、入浴剤に含まれる成分により体が温まりやすくなります。 半身浴をしながら、マッサージをして血行をよくするのもいいです。

のぼせやすい人は、バスタイムを楽しめるようにしてみましょう。 お風呂の中で、お湯に浸かっていることを忘れてられるような楽しいことをするといいです。 テレビを見る、グッズで遊ぶ等、自分が興味のあることを試してみてください。 お気に入りの音楽を聴くのもリラックスするためにいいと思います。

半身浴は、自分に合ったやり方を発見することが大切です。

高温のお湯に半身浴で5分間しか入っていないにも関わらず、体の芯からポカポカ温まったという人もいます。色々なやり方を一通り試してみるといいと思います。

腰の位置

半身浴を行う際に、湯船の中で体全体を安定させるには、腰の位置を安定させることが重要になります。

お湯の量は、自分のおへその上よりも少し上になるよう調整してください。 温度は少しぬるめの、38℃から40℃くらいに設定します。 上半身が寒いと感じたら、浴室用の乾いたタオルを肩から掛けておくと、冷えを防ぐことができます。

同居している家族がお風呂に入るので、 お湯の量を調節できないという人は浴室用、あるいは浴槽用のイスを使ってみてください。

半身浴を行うときは、そのイスの上に腰かけます。理想のイスの高さは、20センチくらいです。

ですが、浴槽の広さや高さによって違うので、自分に合うサイズを探してください。

イスを使うと、半身浴をしている間、腰の位置を安定させることができます。 腰が安定すると、自由に上半身を動かしやすくなります。 上半身が動かしやすいと、エクササイズもしやすくなります。

読書をする場合も、手を自由に動かせるので、楽な姿勢で本を読めます。 また、腰が安定していると、15分なり20分間がそれほど苦に感じなくなるので、半身浴を続けやすくなります。

半身浴を気軽に続けるには、リラックスした状態で行うのは大切なことです。 どんな姿勢が自分にとって一番楽なのかを探りながら、ベストな状態を作っていってください。

注意点

水の写真

半身浴を行う際は、いくつか注意しておくべきことがあります。

第一は必ず水分補給を行うこと。

そして、第二は半身浴を行うタイミング。

第三は、薬を飲んだ時の対応についてです。

半身浴をすると、十分に汗がかけることはお分かり頂けたと思います。 汗をかくということは、それだけ体内の水分を失ってしまいまうので、 失った分を補うために、きちんと水分補給を行う必要があるのです。

水分補給は、半身浴をする前後に行うのはもちろんですが、半身浴中も大切です。 体内のビタミンやミネラル分は汗と一緒に放出されてしまいます。 そのため、半身浴をしているときの水分補給は、スポーツドリンク行うとこれらの成分も一緒に補うことができます。 一番いい水分補給方法は、半身浴の前、中、後に三回行うことです。

体調が悪いときの半身浴は行わない方が賢明です。 半身浴は軽い運動をすることと同じなので、風邪をひいて体が疲れているときに行うと体に余計な負担をかけるだけです。

また女性の場合は、生理中も避けた方がいいと思います。

なお、食後すぐに行うのも避けましょう。 食事をした後は、食べた物を消化するために、体内の血液が胃や腸に集中しています。 半身浴をすると、この血液が全身に流れ出してしまうため、消化不良を起こす危険性があります。 なので、食後30分以内の入浴はくれぐれも避けた方がいいのです。

そして、薬を飲んですぐに半身浴を行うことは絶対に避けてください。

飲酒した場合もそうですが、薬を飲んだ直後は血圧が乱れやすくなっています。 この状態で半身浴を行うと、体に非常に負担をかけてしまうので危険です。 薬を飲んでいるときは、きちんと体調を考えて注意しながら入浴するようにしてください。